鳥を観に行く


鳥好きの友人に勧められるまま、「慶華園」へゆく。


県内の某食品業者の社長が道楽で始めたという、何ともバブリーなスポット。
鳥。 (珍鳥)
植物。 (珍奇植物)
手入れの行き届いてなさそうな熱帯動植物園「モバード」がいい。しかも園内の鳥の販売も行っているそうで、鳥キチの友人は「このインコ、15,000 yen_ ですよ!」などと始終テンパり気味だった。話の流れで、昔父親が山で捕ってきたメジロを飼っていた、という言ったらひどく怒られた。駄目らしい。
レストランは何種類かあって、「吉泉亭」というところで贅沢に 1,500 yen_ の六角弁当を食した 。落ち着いた店の雰囲気はとても好ましいものだったが、会話の内容がメイドカフェポール・サイモンだったのはいただけなかった。
友人曰く、「昨今のメイドカフェはサービスが未熟すぎる。店員のメイド度が足りない」らしい。


付近に系列の「ベルセブン」というスポットがあるので行ってみたが、そこにも珍鳥園が。
デブな鶏 (闘鶏) やらウズラやらシロクジャクやらその他どう観ても自然界の法則に逆らったようなサイケな熱帯鳥やらがいて楽しかったが、ペリカンは間近で観ると実はすごい迫力で怖かった。

さらに敷地内にある物産店に足を運ぶ。BGM には大音量でプリキュアのテーマがリピート。イタリアのデザイナー家具やら上海個展創作家具やら妙な置物やら陶芸やらシャワールームやらの中で僕たちの目を惹いたのは中国製の電動自動車。なんかキラキラのステッカーがヤバイ。「神」とか「智行者」とか車体に貼ってあるんです。友人は本気で欲しがっていた。僕はステッカーだけでも十分だと思った。画像に収め忘れたのが悔やまれるところだ。

結局、その友人は始終お気に入りのメイドカフェの話題で持ちきりだった。軍資金調達のために競艇を嗜むようになったらしく、新しくホームページを作ろうという話で、
「タイトルは "僕と鳥男と競艇で" にしようと思ってるんです」
……正直最低なパクリだなと思ったが本人が満足しているので言わない事にした。彼は "コダクローム" が好きだと言い、僕は "恋人と別れる 50 の方法" が好きだと言った。


かつてはノイズ狂で名を轟かせた彼とポール・サイモンの話で花を咲かせている今の境遇に、時の流れというものを感慨深く意識した一日だった。あとメイド。